
キャッシングのリンク集-2
僕はキッパリと断言した。この手の不良支払者はちょっとでも甘やかすと、すぐつけ入れられる。また、うまいのだ。そのあたりをついてくるのが。
「これ払っちゃうと、ワタシ困るのよネ。ママにはずいぶん無理言ってるし・・」
「いいですか、遠藤さん。僕はこれまで3回支払い期限を延長しているんですよ。あなたも家族が多いので大変だろうし、浮き沈みの激しい世界で頑張っていらっしゃる。部長には全責任を僕が持つと大見栄まで切っちゃって、今日まで待ったんですよ」
「今度は絶対払いますから。あと3日、いや2日でいいのよ」
「ママには僕から話しましょう」
コーヒーカップを置きながらももったいをつけて僕は言った。
「ええ?どういうことそれ?」
「どうもこうもありませんよ。ママに事情を説明してお店の売掛金からこちらに回してもらうだけです」
「それじゃあ、アタシの立場がないワ」
「そんなもの初めからないでしょうが」
僕は取り立てとなると、どうも性格が変わる。特にこのタイプのロクでもシチでもない女には。もっともこの仕事を長く続けるには、少々マゾッ気がなければ大成はしない。
タダ飲み、タダ乗り、ご苦労さんですホステス稼業
「ママだって長いこと水商売をやっているんなら僕みたいな仕事のこともよくわかっているでしょうし。気持ちよく店の分を回してくれますよ」
そんなことは間違ってもしないことを僕も遠藤恵子もよく知っていた。
「それは・・」
恵子の動揺がありありと見えてきた。信用で成り立っているママとホステスの関係は、結局は売掛をキチンと払うかどうかなのだ。その実績で売掛の幅が広がっていく。これは客との関係も一緒だ。だから、女の子がよそに借金を作っているとなればこれは問題なのだ。返済能力のないホステスとみなされ、ツケは一切ダメ。すべて現金。こうなるとこの稼業はやっていけない。僕はそこを鋭く突いてみた。
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こちらの原稿は、「東京カード物語(宝島コレクション)」元借金の取り立て屋、山崎幸一郎氏の許諾をえて掲載しております。
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